安倍元総理の件で海外で暮らしている日本人が思うこと。

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今月8日に安倍晋三、元内閣総理大臣が選挙演説中に銃撃されて亡くなるという衝撃的な事件が起きた。

この事件について知ったのは、朝起きた時に母から「安倍さんが撃たれたらしい」とLINEが送られてきているのを見た時だった。〝安倍さん〟が〝撃たれる〟という、どうにも想像し難い文章の意味を、起きたばかりの頭で必死に理解しようとしたが出来なかった。

イギリスからもNHKのウェブサイトでニュース記事を読むことができるので、急いでデスクトップを開くと、いつもはやっていない生中継がウェブサイトからも見れることができていたので、その日は1日中ソファーに座って齧り付くように画面を見て過ごした。

結果、残念ながら安倍さんは亡くなってしまったが、悲しいというより呆然としてしまうという方が自分の中では強かった。大切な何かを失った時に抱く、〝心にぽっかり穴が開く〟という表現そのままの感覚で、それから数日間は何をするにも全く身が入らなかった。

個人的に安倍さんが総理をされている頃というのは、自分がちょうどラジオ局にいた時でもあって、ニュース担当だった頃は来る日も来る日も安倍さんのいる国会中継を見て過ごしていたし、〝安倍晋三〟という人物が自分の中でとても身近な存在でもあった。その懐かしさもあってか、亡くなったという速報を見た時は本当に切なくなった。

ちなみにイギリスでも安倍さんに関するニュースは大々的に報道されていて、自分もNHKのニュースを見ながら同時にBBCのニュースも追っていた。

今回の事件についての衝撃はイギリスでも大きかったようで、元総理大臣が暗殺されて亡くなったという事実はもとより、日本で白昼に銃による死亡事件が起きたことへの驚きの方を伝えている傾向が大きかった気がする。それだけ日本の銃規制の厳しさや、銃犯罪が限りなく少ない安全な国、ということが認知されていたというわけだ。あの日本でさえ、いよいよ銃犯罪について真剣に考えなければいけない時代に突入してしまったのかと思うのとさすがに気が滅入ってしまう。

ちなみに、イギリスではしっかりした銃規制があるそうなので銃による犯罪はあまり聞かない。
とはいえイギリスの警察は日本の警察ほど銃を撃つことに抵抗がないし、ギャングもいるので日本ほど穏やかに暮らせるというわけでもない。連日アメリカで起きるマス・シューティングのニュース映像を見るたび、奥さんはかつてイギリスで起きた〝凄惨な銃乱射事件〟の話題を持ち出すのだが、イギリスで一気に銃規制の動きが加速したのはその一件があったからなのだそうだ。

その事件というのは、1996年3月13日にスコットランドのダンブレーンという小さな町の小学校で男が銃を乱射し、小学生16人と教師1人が死亡するという英国史上最悪の銃乱射事件で、事件が起きたまさにその日、小学校には当時まだ幼かった、後に世界ランク1位のプロテニス選手となるアンディ・マレーがいたというのは有名な話。Netflix のドキュメンタリーで事件の様子について知ることできるので、興味がある方は観てみるといい。(日本語字幕付き)

Watch Lessons from a School Shooting: Notes from Dunblane | Netflix Official Site
Two priests -- one from Dunblane, Scotland, the other from Newtown, Connecticut -- bond over school tragedies that occur...

安倍さんの話に戻すと、自分は結構好きな総理大臣だったし、バブル崩壊後の不景気で希望のない日本しか見たことのなかった自分たちの世代に少しでも明るい希望を見させてくれようとした方だと感じていた。それだけに今回の訃報は残念だったし、何より悔しい気持ちがある。気持ちを整理するためにも何かできないかとモヤモヤしていたが、有難いことにロンドンの在英日本大使館で弔問記帳ができるということを知って、自分も生前の故人への感謝の気持ちを少しばかり送らせて頂くことにした。

これからの日本はどうあるべきなのだろうと考えたのと同時に、日本人であることの〝意味〟を改めて問われたような、そんな非日常的な数日間のように思えた。

平和が一番いいのは皆が分かっているのに、それを達成するのが何でこんなに難しいことなんだろうと思う。

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