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大聖堂のある隠れた穴場「ウェルズ」へ小旅行

イギリス
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イングランド最小の都市

今回訪れたのは、サマセット州にある Wells (ウェルズ)という門前町。

ここはイングランドにある51のシティの中で〝最も小さい都市〟と言われており、中心部に建つ大聖堂を中心に中世より栄えてきた歴史ある場所だ。

ウェルズという町の由来は、かつてイエス・キリストの使徒〝聖アンドレ(Andrew)〟に捧げられた、癒しの力を持った聖なる3つの井戸(=Well)があったことに由来するそうだ。

ちなみに聖アンドレという人物はギリシャでキリストと同じように磔にされて処刑されたと言われているのだが、その際に使われた十字架がエックスの形をしていたということから、その後〝聖アンドレの十字架〟としてアンデレを守護聖人とする地域の文化に象徴として取り入れられていった。

その代表的なものがイギリスを構成する4つの国の1つ、スコットランド国旗だ。

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The Bishop’s Palace

The Bishop’s Palace と呼ばれる司教の住居の外堀をぶら歩きしてみたが、天候も良く、静かでとても気持ち良かった。

道路の写真を撮っただけでも、なんだか絵になる。

Vicar’s Close

Vicar’s Close と呼ばれる、牧師さんたちの住居区域。

煉瓦造りの小さな家がずらっと連なり、とにかく眺めが美しい。

道路を跨いで架かる通路は、どことなくオックスフォード大学の名所「ハートフォード・ブリッジ」を思い起こさせる。本当にそのまま『ハリー・ポッター』に出てきそうな感じ。

Wells Cathedral

この町のメイン、ウェルズ大聖堂へ。

ゴシック様式の建物に刻まれた彫刻の1つひとつが、非常に繊細でリアルだ。

フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、オランダ……とやはりキリスト教がメインの国から訪れる観光客が多いようだが、意外にもその中に日本があったのには驚いた。

世界で2番目に古いと言われる、1392年から動く現役の機械時計。

イギリスはもともとオランダやドイツから時計技師を招いて作っていたらしいが、当初は時計技術に関して他国より大きく遅れを取っていたという。

風向きが変わったのは、歴史上初めての世界大戦と言われる「七年戦争」でフランスやスペインに勝利したこと。これによりイギリスは多くの植民地を得て、富める国へと変化していった。

多くの富と人材を時計職人へと投資する余裕ができたことで、時計を生産する技術が大きく上がっていった。

イギリスの技術革新は時計だけにとどまらず、次いで繊維産業や製鉄産業、そしてスコットランド人のジェームズ・ワットが「蒸気機関」を発明したことで工場の生産性が飛躍的に上がり、産業革命ひいてはその後の世界を手中に収める〝大英帝国〟の誕生へと繋がっていく。

少し話が脱線してしまったが、荘厳な大聖堂のメインホールをご覧あれ。

古くよりイギリスでは町の規模がどんなであれ、大聖堂があれば〝都市〟として認められきたという歴史がある。

お世辞にも都市と言える規模にないこの町が〝都市〟と名乗り続けることができたのは、紛れもなくこの大聖堂のおかげというわけだ。

イングランドで最も小さな都市、ウェルズ。

しかし、イギリスの平和な田舎町を楽しむにはまさにちょうどいいサイズだった。

自分たちのイギリス田舎紀行は、まだ続く……

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