「フードロス」とは、本来なら食べられるにも関わらず賞味期限等の理由で廃棄されてしまう食品のこと。現代社会における問題の1つとして、近年、新聞やニュース等で目にする機会も多くなってきた。
そんなフードロス削減に積極的にチャレンジしているのが、Too Good To Go というデンマークの企業だ。〝フードロスを減らしたい飲食店〟と〝食品を安く購入したい消費者〟とをスマホアプリを通じて繋げることに成功している。
今回は自分が実際にアプリを利用してみて感じたこと、分かったことを書いていきたいと思う!
利用方法
使い方はとても簡単、スマホでアプリをダウンロードして会員登録した後、提携店が提供する商品〝Magic Bag〟を選んでアプリ上で購入、コレクトする時間が来たらお店に取りに行くだけ。
Magic Bag とは何ぞや、と思うかもしれないが、これは利用者が商品を選べないことから〝サプライズ〟の意味を込めてこう呼んでいるのだと思う。あくまでもフードロス削減が目的、利用者は余り物を安く買わせて頂くといったスタイルというわけだ。
実際に体験してみた!
Lola’s Cupcakes
というわけで最初に訪れたのが、ロンドン中心地にある Lora’s Cupcakes というお店。イギリス国内だけでなく海外にも多くの店舗を持っている有名店で、日本にも原宿や二子玉川に店舗があるとのこと。
Magic Bag のお値段は4ポンド(通常価格14ポンド)ということで、なんと1/3以下!
思ったよりガーリーな雰囲気だったので男1人で入るのに躊躇したが「嫁に頼まれただけ」という確固たる理由を勝手に作って堂々と入場したものの、店員含めて女子はおらず(笑)スキンヘッドのおじさんスタッフに「Too Good To Go のアプリでコレクトしに来たんだけど……」と伝えると、既に用意されていた幾つかのボックスから1つを手渡された。
というわけで、家に帰って開けてみた写真がこちら!
流石は有名店というだけあって、カラフルな見た目でかなり美味しそう!!
- マンゴー&ココナッツ
- ピスタチオ
- ラズベリー&ローズ
- アップル&ブラックベリー
バリエーション、味、量、全てにおいて期待を裏切らない美味しさだった!
個人的にはマンゴー&ココナッツが一番好き。それまで食べたことがなかったイギリス人の妻も美味しいと言って食べていた。正直、イギリスで食べたカップケーキは甘すぎてあまり美味しいと思えなかったが、これは買って正解だった ◎
ロンドンで地下鉄に乗っていると、たまにこの紙袋を持っている人を見かける。
Lebaneats
次に購入したのは、こちらは珍しいレバノン料理を提供する Lebaneats というお店。
Magic Bag:3ポンド(通常価格9ポンド)。
お店には女性の先客が1人。Too Good To Go で……とお馴染みの台詞を言うと、「ほらね、だから人気って言ったじゃない(笑)」と隣の女性。実は女性も Too Good To Go ユーザーで、こちらも何だか安心した(笑)
こちらの店舗では作り置きでなく、実際にユーザーが来てから提供する食べ物の用意をしていたのだが、それがチキンカレーだと判明するや否や女性が「私、実はチキンダメなの……」と一言。驚いた店員が自分に「君、チキン大丈夫?」と聞くので、自分が先にそのチキンカレーをもらうことに。
持っていた角度が悪かったのか、蓋を開けてみるとルーがライスに移動してしまって見栄えが悪くなってしまったが味は間違いなし!
これで3ポンドは本当に得しかない。
Costa Coffee
続いて買ってみたのはイギリスの人気カフェチェーン Costa Coffee の Magic Bag、お値段こちらも3ポンド(通常価格10ポンド)
Costa Coffee はイギリスのスーパーマーケット M&S(マークス&スペンサー)と提携しているということでバックに入っていた4つのうち、3つが M&S のものだった。欲をいえばクッキーとかケーキとかデザートが入っていて欲しかったなぁ〜。
スクランブルエッグとベーコン、ソーセージが入ったラップは温めて食べてみたが非常に美味しく、続いてキャロットも食べようと開けてみると、下の方の人参の色が明らかにおかしい……
ちゃんと見てみると、やっぱり腐りかけていた!!
ということで、ダイレクトでゴミ箱へ。不安になったので勿体無いがフルーツも一緒に捨ててしまった。ある程度予想はしていたが、これが期限間際の商品を購入するリスクでもある。安く買えるが、腐っているケースもあるということだ。
というわけで写真を付けてアプリ上でクレームを入れると、数日後にお詫びのメールと共に、次回から使用できる4ポンド以下の Magic Bag 無料券が送られてきた。返金対応ではなかったが、これまでの満足度 + 期限間近ということを理解した上で買っているので納得してクーポンを頂いた。
ちなみにこうした事例が起きた後は Too Good To Go 側から該当店舗に聞き取り調査が行なわれるらしいので、今後改善されることを期待したい。
Starbucks
お次にトライしたのは、こちらも有名カフェチェーン店の Starbucks 。スタバということでクオリティーはお墨付き、今度は何が来たって怖くない……はず。Magic Bag のお値段は3.59ポンド(通常価格10.75ポンド)とコスタよりも若干お高め。
いつも通りカウンターでコレクトしに来た旨を伝えると、女性スタッフに冷蔵コーナーまで連れて行かれ、そこでサンドイッチやマフィンを5つ並べられて「どれが欲しい?」かと逆質問。
こういうケースはこれまで無かったので驚きつつ、何個までOKかと聞くと「3つまで」と返ってきた。
恐る恐る一番高そうなのを3つ選ぶと、彼女が「もうちょっと欲しい?」と尋ねてきた。
最近は自分で食べるためじゃなくて配る目的の人もいるからあんまり沢山はあげないんだけど……と言うので、もちろん自分で食べる!と貧乏アピールしてみると、〝しょうがないな〜〟と笑いながら5つ全部全部くれた(笑)
その後、カウンターに戻って袋詰めしている最中も「デザートも欲しかったら、クッキーかケーキ選んでいいよ」とクッキーも頂けることになった。お姉さん、超いい人!!
というわけで、イギリスでもやはり「スタバ」は抜群の安定感を誇っていた。はっきり言って、最高。
持ち帰り用バッグに関して
基本的に商品は容器に入れてくれるが、持ち帰り用バッグに関しては渡してくれるところとそうでないところがあるので注意しておきたい。
お店の Magic Bag の詳細の一番下の項目「WHAT YOU NEED TO KNOW」にバッグの有無が記載されているので、予約前もしくはピックアップ前にチェックしておくといい。
写真左の店舗では持ち帰り用のバッグに至るまで全てを提供すると書かれているが、写真右の店舗ではパッキングはするが持ち帰り用のバッグは持参してほしい旨が記載されている。
まとめ
というわけで、今回は気軽に社会貢献をしながらお得に食料を調達できるという魔法のようなアプリ「Too Good To Go」を紹介してみた。
イギリスでの知名度は高く、利用している店舗も豊富なので実際に使ってみてかなり便利なアプリだと感じた。特にロンドンは物価が高く、外食すると平気で2000円近くしてしまうような場所なので、このアプリの利用価値は大きいと思う。
注意しておきたいことは、何がゲットできるかは買ってみるまでわからない(お店/店員次第)ことと、消費期限間近の商品ということで生もの系は腐り始めているケースもあるということだ。
とはいえ利用者は非常に多く、人気店では予約があっという間に埋まってしまうので、お目当ての Magic Bag がある場合は早めに予約しよう。ワーホリで来る方にとっては、ひょっとすると救世主になってくれるかもしれない。
是非、お試しあれ!
番外編『ロスオフ』
ちなみに日本でもこれと似たようなフードロス削減に貢献している『ロスオフ』という最近人気のオンラインショッピングがあるそうで、フジテレビや共同通信など大手メディアでも数多く紹介されている。
個人的には、こちらの方が高級な食材を手に入れられるチャンスがありそうでいいかも……(笑)
これからもっと日本でもこうした取り組みが広く認知されていけば、生産者、消費者ともにメリットがあるのでいいと思うし、自分も日本に戻ったら活用してみたいと感じた。
〝食べて社会貢献〟をまだ未経験の皆さんは、ぜひこの機会にお試しあれ!
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