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イギリスの病院で親知らずを抜いてきた話

NHS(国民保険サービス)
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こんにちは、タイトルにもある通り、イギリスで親知らずを抜いてきました。

奥さんが、です。

初めての親知らずの抜歯だったにも関わらず、横向きに生えてしまっているとのことで、歯茎を切開してのオペということになってしまいました。

自分は家で仕事をしながら待つ予定だったのですが、前日になって急遽、

「明日、一緒に来てくれるよね?」

と、同伴のリクエスト。

「え、何で?」

「だって、そういうもんだよ」

「……マジ?」

「うん。病院に行く時は普通はパートナーが付いていくもんだよ」

そういうもんかなぁ〜、と仕方なく当日になって上司に報告したところ、

No problem at all.

と、何の支障もなく同伴が決まりました。(さすがに午前中は働きました)

歯が痛くなって医者に診てもらってから、今回のオペまで半年はかかったでしょうか。医療もこれくらいスムーズに行ってくれると助かるのですが、イギリスは大体そんな感じです。日本の医療制度とは全く違うので仕方ありません。

これぞイギリス日和といいますか、これでもかというくらいの曇りでかえって安心。

オペということで今回はさすがに地元のGP(かかりつけ医)ではなく、ちゃんとした大学病院でした。初めてイギリスの大学病院なる場所を訪れましたが、確かに結構大きくてちゃんとしているな〜という気がしましたね。

ただ、病院でタバコを吸っている人の多いこと……。患者と思わしきおばあちゃんも、歩きながらスパスパ。「病院って、どういう場所だったんだっけ?」と本質的なことを考えずにはいられなくなってしまいそうになりながらも、結局はこのカオスな雰囲気も楽しめるようにならないとイギリスではやっていけないということなんですよね。

病院内には Costa Coffee や M&S があったりして、思っていたよりすごく綺麗でした。

受付を済ませ、伝えられた番号のドアの待合席でしばらく待機。見渡してみると若い男の子が付き添いでガールフレンドを連れてきていたり、何となくみんな同伴者がいるようで、1人だけで来院している患者さんというのは確かにあまり見かけなかったかもしれません。

そうこうしているうちにとうとう名前が呼ばれ、奥さんの番がやってきました。

頑張れ、とだけ伝えて送り出し、長丁場に備えて持参した小説を読み進めていると、誰かが肩をポンポン。

何だろうと思って顔を上げると……

奥さんでした!

「どうした、これからオペ室移動?」

「終わった」

「え?」

「もう取った」

「嘘でしょ?」

時計を見ると、まだ15分ほどしか経っていませんでした。

「クソ早くね?」

「早い」

「だよね。痛い?」

「麻酔してるから痛くない」

「というか、もう縫ったの?」

「うん」

というわけで、冗談抜きでイギリスに来て初めて〝待ち時間〟というのを感じなかった日になりました。

オペ中は今話題の『Vision Pro』のような真っ黒いゴーグルを掛けていたとのことで、結構キツかったのか目の周りにくっきり跡が付いていて面白かったです。

ちなみに、抜いた歯は〝medical waste(医療廃棄物)〟に該当するとのことで、持ち帰れないとのこと。ここでも日本と違いがありますね。ちなみに奥さんは不満だったらしく、

「あれ、うちの身体の一部やで?」

と、帰りの車で終始つぶやいていました。

術後は病院側から痛み止めなどは処方されず、いつも通り〝痛くなったら市販のものを服用せよ〟とのこと。消毒とかその後のチェックとかも特にないらしい。本当に大丈夫なの?という感じ。

ちなみに、自分は渡英前に親知らずを4本抜いています。これから長期でイギリスに来られる方、歯のケアはしっかりしておきましょう!

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