〝日本のトイレは世界一〟と言われるほど、日本人がトイレにこだわりを持っているというのは世界でもよく知られたところ。
そんなトイレ先進国からやってきた日本人が、移住先のイギリスをどう見たのか?
常に世界をリードしてきている同じく先進国イギリスの〝トイレ事情〟について、自分が経験して感じたことを話していきたいと思います!
日本人とイギリス人の持つトイレ観の違い

まず始めに、「トイレ」という場所に対して持つイメージの違いについて話していくことにします。
日本人にとってトイレとは、ある種の〝プライベート空間〟というのが共通認識かと思います 🇯🇵
新聞や漫画を読んだり、音楽や YouTube を楽しんだり、はたまた〝便所メシ〟なる言葉も存在するほど、日本人はトイレという場所に対して単に〝用を足す〟という行為以上の付加価値を与えているように感じます。
一方、イギリス人はトイレに対する考え方が日本人とは全く違います 🇬🇧
イギリス人にトイレについて尋ねたところ、彼らにとってトイレとは、あくまで〝用を足すためだけの場所〟であり、トイレという場所の意味合いは日本と比べて極めてシンプルです。
ちなみに奥さんにも日本人のトイレ感を話したところ、やっぱり上手く理解してもらえませんでした。
イギリス人は、トイレで過ごす時間をあまり好意的に思ってはいないようです。
イギリスのトイレ事情

では、イギリス人がトイレに対してそのように思う理由は一体なんなのでしょうか?
幾つかに分けて説明していきたいと思います。
清潔面
まず真っ先に挙げられる要因が、清潔面です。
どのイギリス人に聞いてもそうだと思いますが、イギリスでは公共トイレが汚い場合が多いです。
詰まっているのは当たり前、床にトイレットペーパーが散乱していたり、意味不明なほど濡れていたり、食べ物のゴミが落ちていたり……とにかく不衛生だと感じることが多いです。
時には手洗い場にゴミを捨てていく人もおり、鼻をかんだであろうティッシュやガムなどが洗面台のシンクに捨てられているのをみることもたびたびあります。
また、公衆トイレであろうが日本のトイレは消臭剤を置いて臭いに気を遣っているのに対して、イギリスのトイレは臭いが酷い場合が多いです。
一度、ショッピングモールのトイレで清掃員の女性が叫び声を上げたので駆け寄ったことがあって、その個室を見ると床に赤い液体が広がっていてゾッとしたことがありました。(結局はジュースか何かで事件性は無かった模様)
安全面
続いて、安全面。
トイレが安全かそうじゃないかの話ではありませんが、トイレが不衛生だと人は身の危険を感じやすいのは確かです。
先ほどのトイレにゴミを捨てていく人が多いという話ですが、じゃあ何故ゴミ箱に捨てないのか?
日本人なら、きっと誰もがそう疑問に思うでしょう。それは、日本にはトイレにゴミ箱があるのが当たり前だからです。
というわけでもうお分かりかと思いますが、イギリスのトイレにはゴミ箱がありません。
正確な答えは分かりませんが、話によるとテロの危険性があるからだそうです。
つまり、テロの危険性からトイレにゴミ箱を無くしたこと、人々がトイレに対して好意的に見ていないことが重なり、「トイレは汚いものだから、ゴミを捨てても大丈夫だ」という考えになってしまうのだと思います。
トイレは清潔であるべき、という概念がないわけですよね。
外出時に奥さんがトイレから帰ってきた際の、〝Disgusting!!(最悪)〟という台詞は、もう何度聞いたか分かりません(笑)
価値観
後は、シンプルに価値観の違いですかね。
トイレは自分の〝時間外〟だと考えるイギリス人と、トイレを自分の〝時間内〟だと認識する日本人の違いです。
用だけ済ませて自分の時間に戻るのか、トイレにも自分の時間を充てるのか、so
の違いです。
日本人がトイレでもリラックスした時間を過ごしたいと思いがち、という話を奥さんが理解できなかったのは、この点によるところが大きいと感じます。
イギリスには公共トイレが少ない?

さて、そんなトイレに好印象を持たないイギリスですが、ここからは実際にロンドンに出た際におけるより実用的なトイレ情報について紹介していきます。
まず、イギリスでは日本に比べて公衆トイレの数が少ないです。
では、どんな場所に行けばトイレがあるのか?
項目別に説明していきたいと思います。
飲食店
最初に、飲食店。
レストランや、カフェなど、飲食店には公衆トイレがあることが多いです。

例えば我が家の近所にある Costa Coffee にはトイレがありますが、扉を開ける際にはレシートに書かれたコードを入力する必要があります。
ファストフード店の場合、大きめの店舗であればトイレがある場合がありますが、自分は基本的にトイレは無い(使えない)と考えるようにしています。
スーパーマーケット/デパート
スーパーやデパートなどの小売店では、基本的にトイレがあることが一般的です。

例えば、イギリスのスーパー Marks & Spencer(M&S)はオススメ!
高級スーパーの部類に分類されるため、経験上、トイレが清潔であることが多いです。
カフェが併設されている店舗もあり、M&Sのカフェは他のチェーンと比べると空いている(特にロンドン中心部の店舗)ので狙い目です。
駅

大きな駅にはトイレはあるが、小さな駅にはトイレがありません。
公共交通機関なのでトイレは無料で使えることがほとんどですが、場所によっては有料(大体1ポンド以下)のケースもあります。
奥さんの話では、コヴェント・ガーデン駅のトイレは有料だそうですが、近くのカフェで何か購入すると駅の「トイレ無料券」なるものが貰えるらしいです(笑)
ちなみに「有料トイレ」だからといって綺麗なわけではなく、普通の公衆トイレなので勘違いしては行けません。
これはイギリスだけでなく、ベルギーでも同じでしたね。有料のくせに全然綺麗じゃなかったです。
博物館/美術館

博物館や美術館などの公衆トイレは、綺麗なことが多いです。
イギリス、特にロンドン中心部の博物館、美術館は無料で入れることが多く、また館内には専門の清掃員の方がいることも多いので、基本的にトイレは綺麗であることが多いです。
大英博物館、ナショナル・ギャラリーなどのトイレは綺麗です。
コンビニ
日本だと、外出中のトイレといえば「コンビニ」を思い浮かべる人も多いかと思いますが、残念ながらイギリスのコンビニではまずトイレは借りられません。
万引きの問題で、客用のトイレは設けていないのだと思います。
経験上、コンビニでトイレが使用できた例はありません。もしある方がいれば、教えて頂きたいです!
ウォシュレットはない?
日本のトイレは公衆トイレにもウォシュレットが付いていることが多いですが、〝ウォシュレット圏外〟の海外ではそういうわけにはいきません。
「おしりを洗ってトイレを出る」という習慣が身体に染み付いている現代の日本人にとって、「トイレットペーパーのみ」という選択肢は結構な苦痛なはず。
では、ウォシュレットと完全に決別しなくてはならないかと言われると、そういうわけでもありません。
例えばロンドンの高級ホテル、日系企業のオフィスではウォシュレット付きのトイレがあるようですが、やはりウォシュレットが主流でない以上、ハイクラスな場所もしくは日本と関係のある場所ではなければ、なかなかウォシュレット付きトイレを期待するのは難しいでしょうね。

自分が過去に勤めていた某日系企業では、TOTOのウォシュレットがありました。
清潔なウォシュレット付きトイレ、イギリスでは本当に神々しいほどの存在感を放っていましたよ 😂
携帯用ウォシュレットが便利!
旅行やワーホリでイギリスを訪れるといった方々には、「携帯用ウォシュレット」を強くオススメしたいです!

ウォシュレット付きトイレのない環境下でも「水」さえ用意できればいつでも簡単におしりの清潔を保つことができるので、自分もイギリスで大変重宝しています。
特にこのパナソニックの携帯ウォシュレットは電池式で、スイッチひとつで強弱が変えられるので非常に便利です!付属のコネクターを付けると500mlのペットボトルを装着することもできます。
うちの奥さんも、この携帯用ウォシュレットは自分が日本から持ってきた中でお気に入りに挙げています(笑)
ただ、イギリスにはコネクターに合う口のペットボトルがあまりないため、日本から空のペットボトルを持参するか、もしくは「Japan Centre」などアジア系スーパーでペットボトルの飲料水を買って再利用するのもいいです。

ちなみにかつてオーストラリアでワーホリをしていた際、容器を握って水を押し出す簡易型ウォシュレットを持参したことがありましたが、初日に壊れて使えなくなるという絶望的な経験をしたので自分はオススメしません。
ウェットティッシュは代用品!
携帯用ウォシュレットを持っていくほどではないという人には、ウェットティッシュがオススメ!


イギリスのスーパーには水に流せる(Fine To Flush)ウェットティッシュが売られていて、我が家でも先ほど紹介した携帯用ウォシュレットと二刀流で、日々のおしりのケアをしてくれています。
子犬が描かれた Andrex というブランドが有名で、大抵どこのスーパーでも見つけることができます。値段は1パック1.5ポンドとかなので別に高くありません。


ちなみに最近使っているのは Sainsbury’s で売られているココナッツオイルが含まれたもので、ココナッツの仄かな香りがしてお肌にも優しいので最高です。


こちらは携帯用の「V.I.Poo」という液体スプレーで、用を足す前にシュッと便器に吹きかけるとレモンの香りが臭いをブロックしてくれるというもの。
スーパーやドラッグストアで売っているが、ちょっと高め。
まとめ


というわけで、今回は「イギリスのトイレ事情」について色々と書いてみた。
多くの外国人が日本のトイレの清潔さに驚くように、日本人も海外のトイレの不衛生さに驚くだろうが、だからこそ綺麗な場所を知っておきたいところだ。
ただウォシュレットのないイギリスでも現地で売られているもので十分に対応可能なので、色々書いてはきたが、実際はそこまで悲観しなくても大丈夫 👍

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