ルーヴル美術館の次は、オルセー美術館 を訪問してきました!

建物はパリ万博(1900年)の開催に合わせて建設された旧駅舎が使われており、天井が高くてとても広々としています。
当美術館の特徴は、なんといっても良質な「印象派」のコレクション。
というわけで、今回は自分なりに印象派について学びながら美術館をまわってみました ✏️
印象派とは?
そもそも印象派(または印象主義)とは、19世紀後半のフランスに発した絵画を中心とする芸術運動のことで、美術界を支配していたアカデミック層に反発する、若き芸術家たちが見出した新しい美的感覚とも言えるかもしれません。
当時のフランスでは画家として成功するためには王立絵画彫刻アカデミーの展覧会「サロン・ド・パリ」で評価される必要がありましたが、アカデミックな人々によって定められた厳格なルールに則った作品でなければ評価されなかったため、新しい価値観を持った若者の作品はなかなか共感してもらえなかったのだそう。
〝芸術家として成功したいのに、認めてもらえない〟
そんな現状に不満を持っていた若き芸術家たちは、いよいよ行動を起こします。
それが、サロンの自主開催でした。
1874年に「画家、彫刻家、版画家などによる共同出資会社の第1回展(=印象派展)」と名付けられたよりオープンで新しい展覧会を開催し、そこでモネの『印象、日の出 』という作品が評価を受けました。
〝印象派〟という言葉は、このモネの作品が元になっているというわけですね ☝️
印象派の絵の特徴
では、印象派の絵画は他とものとどう違うのでしょうか?
印象派の絵の最大の特徴は、描かれているのが実際に起こっている場面 だということ。
これまで「宗教」や「神話」といった想像上の場面を描くことが芸術だとされていたのに対し、若者たちは現実を描くことにこだわりました。
人々の何気ない日常や、美しい自然の風景などを積極的に描くことにしたわけです。

印象派の代表的な画家として知られるエドゥアール・マネが描いた『草上の昼食』は、〝女性の裸を描くのは宗教内での出来事に限る〟という暗黙の了解を破り、現実世界の風景を描いたことで大スキャンダルを巻き起こした1枚として知られています。
当然、サロンからは門前払いを食らうわけですが、
———じゃあ、サロンから落ちた作品だけを集めて展覧会をやってやろう!
ということで、「落選展」という画期的な展覧会が印象派展に先駆けて開かれます。今日でも使われる落選展という言葉は、まさにここから始まったのだそう。
なにはともあれ、旧態依然とした「サロンへの挑戦」というものが、この絵をきっかけに表面化したわけですね。
新技術の誕生

19世紀前半に発明された「写真」は革命的な技術で、当時の画家たちにとって驚異でした。
これまでのように肖像画などのために画家の前で長時間じっとしている必要がなく、その出来栄えを心配する必要も無くなったからです。
これは、画家たちに新たな道を模索させるきっかけにもなりました。
しかし、それと同時に「チューブ絵の具」の発明はそんな画家たちを後押しするような出来事でもありました。
それまでは自分たちで顔料と油を混ぜて絵の具を作らなければならなかったのに対し、既に出来上がっているチューブ絵の具を持ち運ぶことで、屋外での制作がより一層容易になったからです。
屋内から、屋外へ。
画家たちの活動場所はより広がっていったのだそうです。

有名な『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』というルノワールの代表作には、パリ・モンマルトル地区にかつて存在したダンスホール、「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」で盛んに行なわれていた若き芸術家たちの舞踏会の様子が描かれています。
絵にはルノワールの仲間たちが描かれており、芸術における〝新時代〟を創り出そうとするエネルギッシュな若者たちの、青春の様子が絵を通して伝わってくると思います。
あの有名なパブロ・ピカソも、このダンスホールに出入りしていた1人なのだそうですよ。


これまでは〝穏やかで美しい絵〟というイメージでしか見ていなかった印象派の絵画ですが、こうやってしっかりと成り行きを見ていくと結構ギスギスした事情があったんですね〜。


しかし権力側とバチバチにやり合っていながら、これほど美しく安らぎのある絵を描けるんですから、芸術家ってやっぱり凄いです(笑)
自分だったら、イライラをそのままキャンバスにぶつけたような絵しか描けなさそう…… 😂

前例がないことを始めるというのは、勇気と根気が必要です。
自分たちだけが正しいと思っていても、そうは思わない多数派から必ず批判されますし、その批判に耐え続けて彼らの価値観を変えさせるアクションを起こすというのは、とんでもないパワーが必要になるはずです。
それを可能にさせたのは、やっぱり想いを共有できる仲間がいたからでしょうね。
西洋美術への見方の変化

ヨーロッパに住み続けてもう4年が経ちましたが、その間に自分の中での西洋美術、特に西洋画に対する価値観が少しずつ変わってきたような感じがします。
正直、日本にいた頃は外国の絵なんてほとんど興味がありませんでした。
一生懸命見れば見るほど退屈で、全く面白みが感じられなかったからです。それだったら古代エジプトやマヤ文明といった〝冒険心を掻き立てられる〟方が断然好きでした。
それでもイギリスに住み始めて博物館、美術館に気軽に足を運べる環境に(ロンドンは無料のところが多いので)に身を置くと、次第に絵を見ることが身近になってきて、次第に楽しいと思うように気持ちに変化が出てきました。


その要因として挙げられるのが「背景を知ることで面白さがグッと上がったこと」と、やはり「身近に本物がある」という環境が大きいと思います。
純粋に絵を眺めて満足するのも良いですが、絵画も芸術家たちの「自己表現」である以上、やはりその背景には彼らの思いがあるわけですよね。
〝こういう理由があるから、これを描くんだ!〟みたいな当時の画家たちの心情みたいなものが最近ようやく分かってきたというか、絵を見る上でそういった下知識があるとやっぱりより楽しめます。
解説を読みながら〝芸術家って天才だけど、やっぱり同じ人間なんだなぁ〜〟と親近感を持ったり、逆に〝なんでやねん!〟とツッコみたくなるような点があったりするわけです(笑)
美術館を訪れて、そういう楽しさが分かってきたというのがあります。
逆にワーホリなどでロンドンに来ている若い子たちに聞くと、美術館自体は綺麗だけど、個々の作品に関してはやはりそこまで面白みを感じられないという答えが返ってくることが多いですね。
まぁ自分も同じくらいの年齢の時はそうでしたし、自分も歳をとってきたということなんでしょうか(笑)

また、本物が身近にあるという環境的な要因も間違いなく大きいです。
教科書やテレビなどでよく目にする有名作品を実際に見てみると、他と何が違うのか気になります。だから自分なりに調べたりするわけですね、そうすると新事実が分かって、もっと面白くなる。
これはサッカーでも同じで、例えば試合前の選手の練習風景を間近で見ると、試合中の姿とはまた全然違いますよね。
フィジカルに目が行きがちな選手が、実は足元も相当上手だったり、テレビで見るのとはまた違った発見があるわけです。そうした自分だけの発見があるとその選手にもっと興味が出ますし、もっと知りたくもなります。
現在の自分の絵画に対する考えも、そんな感覚に近いかもしれません。
まとめ

というわけで、今回はパリのオルセー美術館の作品を楽しみつつ、自分なりに「印象派」について考えたことを書き起こしてまとめてみました!
パリといえばやっぱりルーヴル美術館ですが、個人的にはオルセー美術館の方が魅力的でした!
奥さんが言っていたように、ルーヴル美術館はイギリスでいう「大英博物館 + ナショナル・ギャラリー」みたいな感じで、人混みを掻き分けて長時間歩き回るという〝体力勝負〟となりますが、オルセー美術館は規模感もよく、ルーヴルより混んでおらず、人気作品も多いので、総体的な満足度は高かったです。
とはいえ、やはり『モナ・リザ』は唯一無二。一度は見ておくべきだと思います。
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余談ですが、2月7日からアーティゾン美術館(東京、中央区)で「クロード・モネ – 風景への問いかけ」という美術展が開催されており、今回紹介した絵画を含む、約90点の作品がオルセー美術館から来日しているとのこと!
また、国立西洋美術館でも2月15日まで「オルセー美術館所蔵 印象派 室内をめぐる物語」という美術展を開催しており、こちらもモネを含めた印象派画家たちの作品が展示されているそうなので、興味のある方は是非足を運んでみてはいかがでしょうか?
初来日の作品も多数展示されているそうです! 🇯🇵 🇫🇷


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