世界遺産の街「バース」の魅力は、その建物の美しさにあるといっても過言ではありません。
黄色がかった壁は古臭さを感じさせるどころか、むしろ温かみのある印象を与えます。
この外壁はサマセット州の主要な採石場から運ばれた Bath Stone(バース石)という石灰岩が用いられており、その色は黄色でなく〝蜂蜜色〟と表現されることが多いそうです 🐝
バース出身の John Wood(ジョン・ウッド)という人物は、こうしたバースの美しい建築をデザインした著名な建築家として知られています。
彼はそれまで廃れかけていたバースの威厳を取り戻そうとする新しい街づくりの計画を立てていたのですが、町の有力者たちの反対に合ってなかなか実現まで辿り着くことができませんでした。
そんな彼のバースに懸ける想いに共感し、サポートをかって出たのが、地元出身の外科医で政治家としても活動していた Robert Gay(ロバート・ゲイ)という人物でした。

前回のジェーン・オースティンに関する記事の中でも少し触れましたが、「ジェーン・オースティン・センター」のある大通り Gay Street (ゲイ・ストリート)は、まさしく彼の名にちなんでウッドが設計した建築物です。

バースにある沢山の歴史的建造物と同様に、このゲイ・ストリートの多くの建物がイギリスで最も重要な文化財であることを示す「グレード1」に指定されています。
写真では意外と緩やかに見える坂ですが、歩いてみると意外と勾配があって良い運動になりました。


ウッドは同じく、グレード1の文化財に指定されている環状形の住宅街 The Circus (サーカス)も設計しています。
サーカスはゲイ・ストリートの坂を上がった先に続いており、中心に植えられたプラタナスの木々を囲むようにして立つ建物は上空から見るとその美しさが際立っていることが分かります。
Wikipedia に写真が載っているので興味ある方は見てみてください、ウッドの最高傑作と言われる理由が分かると思います。
父親が偉大な建築家だったこともあってか、その息子 John Wood Jr.(ジョン・ウッド・ジュニア)も優れた建築家としてバースの景観美に大きく貢献しています。


彼の代表的な建築物といえば、なんと言っても Royal Crescent (ロイヤル・クレッセント)でしょう。
曲線を描くように連なる30軒もの住居(テラスハウス)は、ジョージアン様式の傑作として〝世界で最も美しい集合住宅〟とも呼ばれています。


先ほどサーカスと形は似ていますが、こちらは三日月状で建物がより長いのが特徴です。
ちなみにゲイ・ストリートもサーカスもデザインは父親が行なっていますが、彼が途中で亡くなってしまったために息子が完成させています。
まさに、親子でバースの街づくりに貢献したというわけですね。
このような一貫性のある景観というのは世界遺産に登録される上で重要なポイントであり、ジョン・ウッド親子がバースの歴史を語る上で外せないのはこうした理由があるからに他なりません。
自分も歩きながら美しい雰囲気に見惚れてしまいましたが、このエリアに住むとなると相当お金持ちである必要があるみたいですね…… 😂


しかし、ロイヤル・クレッセントのちょうど真ん中に位置する「16番地」はホテルになっているので宿泊することが可能です!
ホテル内には高級スパも用意されており、こちらは宿泊者でなくても利用できるみたいですよ 👌

建物の美しさ、そしてジョン・ウッド親子が残した功績を感じながら街歩きしてみると、きっとより深くバースの街を楽しめると思いますよ 🇬🇧

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