前回に引き続き、スコットランド2日目。

まずは、セントラルにある「スコットランド国立美術館」を訪問。

イギリスの美術館はとにかく展示数が多く、持て余すことなくみっちり飾られているので非常に見応えがあります。

こちらは、イギリスの有名画家「ウィリアム・ターナー」の作品。

当ブログでも何度か紹介している、〝馬〟の絵でお馴染み「ジョージ・スタッブス」の作品も 🐎
やっぱり、馬と一緒です(笑)

他にもルネサンスの巨匠「ラファエロ」の宗教画や……

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の『糸車の聖母』という作品も展示されていました。
今回自分は気付かなかったのですが、 フェルメールの作品 も展示されていたのだそう。
見逃していたみたいでショックです…… 😅
そんな数ある作品の中で、非常に印象に残った絵がこちら。


正装したおじさんが、凍った湖の上で優雅にスケートをする様子を描いたものです。
全く楽しそうに滑っていないところがシュールでどこか魅力的だったわけですが、後から詳しく調べてみると美術館で最も重要な絵の1つであると判明!
『スケートをする牧師』という名前のこの作品は、スコットランドを代表する画家「ヘンリー・レイバーン」によって描かれ、スコットランド文化を象徴する作品と呼ばれて長年、スコットランド人に親しまれてきた絵なのだそうです 🏴
しかし、近年の研究によると、どうやらこの絵はとあるフランス人画家によって描かれたものであるとの説が非常に強くなってきたとのこと。
———国の象徴とされてきた作品は、実は外国人によって作られた。
確かに、これは国の根幹を揺るがしかねない大事件です。
仮に『富嶽三十六景』が葛飾北斎でなく、とある中国人画家の手で描かれたものだったら……それこそ日本人のアイデンティティーに関わる出来事になってしまいますよね。
展示の説明文の最後には、〝———しかしながら、それでもなお人々の大多数の当作品をレイバーンのものであると信じている〟とありましたが、確かに、真実を知るより知らないでいたままの方が幸せなことも、この世にはあるのかも知れません。
というわけで、美術好きは訪れて損はしないはず。
入場無料です。


続いて、ガキんちょが行きたがっていたスコットランド国立博物館へ。
要塞のような見た目をした建物でなんだか格好いい!


ハリーポッターの映画にも登場した、有名な『ルイス島のチェス駒』。
大英博物館にもある展示品の一部がスコットランドにも置かれている理由は、このチェス駒が見つかった「ルイス島」がスコットランドにあるからです 🏴
12〜13世紀、北欧ノルウェー王国の最初の首都であるトロンハイムで作られたといわれています。
ノルウェーでなくスコットランドの島で見つかった理由ですが、何者かがノルウェーからアイルランドに向けて入植する途中、何らかの理由で中継地のルイス島にチェス駒を隠したのではないか、と言われているそうですが、詳しいことはまだ不明。
こういった類のミステリーは、オカルト好きの心をくすぐります。


こちらは16〜18世紀にスコットランド全土で広くおこなわれていた、「魔女狩り」の拷問器具の展示。
ほくろなどの身体的特徴は〝魔女の証〟とされ、該当する人々はこれらの拷問器具で自白に迫られ、裁判で有罪判決を受けた後に絞首刑にされたといいます。
エディンバラの東にあるノース・ベリックという場所では、魔女集会をおこなっていたとして大勢の人々が裁判にかけられ、70人以上が処刑されたのだそうですが、これはヨーロッパの魔女狩りの歴史の中でも特に有名な出来事とのこと。
その時の様子を描いた左側の絵には、黒い悪魔が魔女たちを唆そうとしている様子も見られます。
こちらもオカルト好きには楽しめる展示ですが、実際に起きていたことだと考えるとやはりゾッとしてしまいますね……
これら魔女狩りと称した一連の迫害に関して、スコットランド政府は2022年に正式に謝罪しています。


スコットランド国立博物館は、歴史館だけでなく、科学館も一緒になっています。
スコットランドにゆかりのあるサイエンス系の展示品は、かなり興味深くて面白かったですよ!


こちらは世界で最も有名な羊、Dolly(ドリー)の剥製。
1996年にエディンバラのロスリン研究所で「世界で初めて哺乳類の体細胞から人工的に作られた羊」、いわゆる〝クローン〟として産まれ、同じ遺伝子を持った生物を人工的に複製する科学技術の成功例として世界的に有名になりました。


1899年に設立されたスコットランドの Argyll Mortors Ltd.(アーガイル・モーターズ社)は、当時のヨーロッパで最も多く自動車を生産していた自動車メーカーだったのだそう。
イギリスではレトロな車に乗っている年配の方をよく見かけますが、確かにこれは格好いい!!


当時、ロンドンのオックスフォード・ストリートにあったショールームでは最新の車種が展示されていたほか、女性インストラクターによる女性への運転方法の実演なんていうのもあったそうです!


科学館の隣には自然館もあるわけですが、流石にここまでくると多すぎるので割愛。
とてもじゃないですが、全てをサクッと見て回れる規模ではありません。ガキんちょのために来たものの、実際は大人の方が真剣に見ていたような気がします(笑)
老若男女楽しめる場所なので、家族でエディンバラを訪れる際は是非とも立ち寄ってみるといいと思います!
もちろん、入館は無料です 👍





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