突然ですが、〝スーパードライ〟と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか?
きっとほとんどの日本人が「ビール」と答えるはずですが、イギリスでそう答える人はきっとよっぽどの酒飲みか日本通のどちらかでしょう。
では何か?
答えは、ファッションブランドです。
スーパードライと言えば、まず〝服〟を思い浮かべる人がイギリスでは大多数なんです!!
イギリス生まれのこのブランドは、〝極度乾燥(しなさい)〟というやや怪し気なキャッチフレーズを掲げ、今や本国だけでなくヨーロッパ中で広く知られた高級アパレルブランドとして君臨しています。
スポーティーな機能性を掛け合わせたアメカジスタイルでありながら、デザインはもっぱら〝和風〟というのが、この Superdry の唯一無二の特徴と言えるでしょう。はっきり言って日本語は摩訶不思議な言葉が多いのですが、欧米人からすればそんなことは大した問題じゃないのでしょう。
現に自分がこのブランドを知ったきっかけは、オーストラリアでのワーホリ中、学生寮のフランス人の友達が着ていた服をパチモンのダサい中華製だと思って鼻で笑ったところ、「まさかお前、このブランド知らないのか? それはクールじゃねぇな。」と逆にかまされる、という出来事が最初でした。
〝何ぬかしてんだ、こっちは日本人だぞ〟と思いつつ町でショッピングしていると……自分を笑うかのように現れましたよ、でっかいスーパードライのお店が。あの、にっくきキャッチフレーズが。そして、それに群がるお客さんたちが。
正直、敗北でしたね。
過去の話はさておき、イギリス人デザイナー Julian Dunkerton によって2003年に設立された Superdry は、スポーティーでファッショナブルなデザインの服を多く取り揃え、イギリスだけでなくヨーロッパの若者の間で話題のブランドとして急成長、コヴェントガーデンに1号店をオープンしたのを皮切りにイギリス中に展開し、順調に世界進出、今やロンドン証券取引所にも上場している有名ブランドとして認知されています。
というわけで Superdry の洋服は世界中で売られているのですが、ご存じの通り、日本では〝ビール〟が有名なわけで……商標権上、世界で日本にのみ流通していないという、まさに幻のブランドとなっているんですね。
ちなみに税関のホームページによると、当ブランドの商品を販売目的で日本に持ち込もうとした場合、関税法第108条、109条に則り、 10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金 が課される可能性があるとのこと。くれぐれも、持ち込むのはお土産だけにして下さい 🛍️
そんな Superdry ですが、実は近年少し様子に変化が見られるようになってきました。
というのもデザインに明らかな中国語が混ざっていたり、そうかと思えば「冒険魂」などという正しい日本語を使ってしまったりもして、どこか〝らしくない〟様子が伺えます。
〝そんなの俺たちの知ってる Superdry じゃねぇよ!間違えてもいいから日本語使えよ、中国語に逃げる姿なんて見たくねぇよ!〟 と、個人的には叱咤激励したい気持ちで一杯です。
やっぱり、あの不可解な日本語の〝ダサオシャレ感〟が、Superdry の良さですからね!
これからもしっかり成長を見守っていきたいと思います。
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