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【世界遺産】古代ローマ時代の公衆浴場跡「ローマン・バス」|イギリス

イギリス国内
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ビザの更新も無事に終わり、奥さんと一緒に Bath(バース)に小旅行してきました 🇬🇧

小さな町ですが意外と見どころが沢山あったので、今回から幾つかに分けてその魅力を紹介していきたいと思います!

まず最初は、バースを訪れる人なら必見の「ローマン・バス」です ♨️

世界遺産の街、バース(Bath)

バースはイングランド西部、サマセット州に位置する小さな街です。

ローマ時代から続く温泉地として貴重な文化的資料や建造物が多く残されていることから、街全体がユネスコの世界文化遺産に登録(1987年)されています。

イギリスの歴史を知る上で重要な文化財が多く残されていることだけでなく、ロンドンから電車で1時間半で行けること、また天然温泉を使った英国唯一のスパがあることでも有名で、イギリス屈指の観光地として知られています。

HIS イギリスの世界遺産バース旅行

ローマン・バス(Roman Baths)とは?

そんな人気観光地バースの中でも特に有名なのが、ローマ時代の公衆浴場跡 ローマン・バス です。

この地では紀元前からブリトン人が崇拝していたケルト神話の女神スリス(Sulis)が祀られる泉でしたが、古代ローマ人の侵攻によって彼らの女神ミネルヴァ(Minerva)と合わさり、「スリス・ミネルヴァ」という新しい女神を祀られる神殿が建てられました。

皆さんご存知の『テルマエ・ロマエ』にもあるように、風呂好きで知られる古代ローマ人の手によってバースに本格的な公衆浴場が建設されたというわけです。

有名な The Great Bath の屋根にはローマ帝国の為政者たちの彫刻が温泉を取り囲むように建っており、厳かな雰囲気が漂っています。

中世ゴシック様式の「バース寺院」を背景に美しい写真を撮影することができます。

中庭の Sacred Spring(神聖なる泉)では実際にプクプクと気泡が浮かび上がっており、今だに源泉が湧き出している様子が見てとれます。

ちなみに〝風呂〟という意味の「Bath」がこの地名から来たと言われていますが、本当は〝温泉が湧き出す所〟という意味の古代ゲルマン語「baþ」や「baþą」を温泉地であるこの地の名前に充てた、という説が有力なのだそうですよ。

実は最先端のスパ施設だった?

そんな歴史的に貴重な温泉浴場跡ですが、面白いのはここから!

なんとこのローマン・バスは、入浴だけでなく当時における最先端の「スパ」であり、プール、サウナ、マッサージなど、現代的なスパとほとんど変わらない体験ができたそうなんです。

当時のローマン・バスを再現した模型を見てみると、確かに巨大な施設だったことが分かります。先ほど見た大浴場も元々は屋根で覆われており、室内の温泉施設として機能していたとのこと。

上の写真は Caldarium と呼ばれる、かつて「サウナ」として使われていた部屋です。

床下の柱の隙間から熱風を通して床暖房機能を作り出し、蒸し風呂になった部屋で古代ローマ人は汗を掻いて楽しんだといいます。

部屋にはボディ用のオリーブオイルが入った壺が用意されていたり、隣の部屋ではマッサージ用の台があったり、クールダウン用のプールがあったり……現代のスパとほぼ変わりません!

この時代に既に今と同じように「お風呂」を楽しんでいたとは驚きですし、何よりそれが可能なだけの技術を持っていたというのが凄いですよね 😳

呪いのプレート

この博物館における個人的なもう1つの見どころ、それがユネスコの記憶遺産にも登録されている、こちらの呪いのプレートの展示です。

呪いというと少し物騒に聞こえますが、現代的に言うと「不満」です。

観光地に人々が集まる理由は、今も昔も純粋な観光目的の人だけではありません。中には〝窃盗〟目的で公衆浴場にやって来る者もいたようで、入浴者の所持品が盗まれたりすることもしばしば。

現代のようにセキュリティーがしっかりしているはずもなく、盗まれたらそれっきりという状態に被害者たちは不満を覚え、そのやり場の無い怒りを言葉にして、女神アクア・スリスに天罰の願いを請うたといいます。

癒しを求めてやって来て、不運にも物を盗られ、ムカついて不満をぶち撒ける……何とも人間味溢れる光景ですよね。

幸福だけじゃなく不幸をも神に祈ってしまうという〝心の醜さ〟が表れているわけですが、でもそれこそがやっぱり人間なんですよね。今も昔も、人間の本質は変わらないということです。当時の情景を想像しながら、遥か昔の古代人に親近感を覚えました。

ちなみに、盗まれたものの中には「奴隷」も含まれていたそうです。

飲泉もできる!

日本の温泉地では飲泉できる場所も多いですが、ローマン・バスでも温泉を飲むことができます。

温泉を飲むことでどこまで効能が得られるのかは分かりませんが、実際に味見してみると、鉄分の臭いと味が意外と強くて正直あまり美味しくはなかったです(笑)

こちらは余分な温泉を流すために整備された排水溝ですが、温泉が流れる箇所だけが黄色く変色しているのが分かります。

これは「温泉に含まれる鉄分が溶け出したもの」とのこと、どうやらバースは〝含鉄泉〟のようです。(ただ「大浴場跡」も「神聖なる泉」も水は緑色なんですよね 🤔)

鉄分が不足しやすい女性の方は、飲んでおくと効果があるかもしれません。

まとめ

というわけで、今回は世界遺産の街バースから定番の観光スポット「ローマン・バス」を紹介しました ♨️

正直、最初はサクッと見て回って次のプラン……と予定だったのですが、実際に訪れてみると興味深いことばかり!

館内も思った以上に広く、写真撮影を含めてじっくり見て回るとなると、少なくとも2時間は見積もっておいた方がいいと思います。

ちなみに、音声ガイド(日本語対応)はチケット代に含まれています 👌

個人的なオススメは人の少ない午前中ですが、夜はライトアップされてまた違った雰囲気を楽しめるそうなので、お好みに合わせてプランを立てて下さい。

歴史を知ってから観光すると、より深くバースの街を楽しめると思いますよ 🇬🇧

The Roman Baths

ロンドン・パディントン駅からグレート・ウェスタン・レール(GWR)に乗って約1時間半、バース・スパ駅より徒歩10分。

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